最強の歴史
異種格闘技戦・歴史
勝負は時の「運」。
勝敗だけにこだわらず、その攻防のスタイルの変化や、
攻防の進化、各格闘技における有利、不利などを考えながら見ると面白いと思います。
紀元前708年 古代オリンピックで「レスリング」が種目となる。
紀元前688年 古代オリンピックで「ボクシング」が種目となる。
紀元前648年 古代オリンピックで「パンクラチオン」が種目となる。
紀元前後? ○野見宿禰(のみのすくね)(古代相撲) VS ×当麻蹴速(たいまのけはや)(古代相撲)
単なる伝説である可能性もある。
1894年 ▲横山作次郎(柔道) VS ▲松村義昭(空手) この対決は創作という説もある。
1904〜1930年? 前田光世(柔道)が1000試合以上の異種格闘技戦を行う。(ジャッケットマッチでは無敗)
ブラジルで、グレイシー柔術の創始者エリオ・グレイシーの兄:カーロス・グレイシーの師匠となる。
1922年 ○本部朝基(琉球空手) VS ×ロシア人巨漢ボクサー
1923年 ○鞆ノ平武右衛門(とものひらたけえもん)(相撲) VS ×巨漢外人ボクサー (天覧試合)
1928年・1929年 中国で武術家を集めて大会が開かれる。
戦後初期 「柔拳興行」と呼ばれる柔道家とボクサーが試合する興行が流行ったらしいですが、そのほとんどは、
筋書きのあるショーだったそうです。
1950年頃 大山倍達(空手)が、他格闘技者や猛牛と戦う。
1951年 ○木村政彦(柔道) VS ×エリオ・グレイシー(グレイシー柔術創始者)
1954年 ○力道山(プロレス・相撲) VS ×木村政彦(プロレス・柔道)
現在では、「引き分け」の約束を力道山が一方的に破棄して、木村をダウンさせた。というのが一般的。
1954年 太 極 拳(呉 公 儀、55歳) VS 白 鶴 拳(陳 克 夫、30歳)
1976年 ○アントニオ猪木(プロレス) VS ×ウイリアム・ルスカ(柔道)
1976年 ▲モハメッド・アリ(ボクシング) VS ▲アントニオ猪木(プロレス)
(WBA・WBCボクシング統一世界チャンピオンVSプロレスラー)
一般に、猪木がからむ「異種格闘技戦」において、、
この「猪木VSアリ」と「猪木VSウイリー・ウイリアムス」以外は全て「結果」が前もって決められていたと言われています。
1977年 ○アントニオ猪木(プロレス) VS ×ザ・モンスターマン(マーシャル・アーツ=全米プロカラテ)
1978年 ローラン・ボック(レスリング・プロレス) VS アントニオ猪木 (1勝1敗1分け)
1979年 ○アントニオ猪木(プロレス) VS ×レフト・フック・デイトン(ストロンゲスト・マン)
1980年 ▲ウイリー・ウイリアムス(極真カラテ) VS ▲アントニオ猪木(プロレス)
1975年〜1984年(詳細不明) 昭和50年代、完全なアンダーグラウンドで「何でもあり」の大会が開かれた(らしい)。チャンピオンは柔道出身の「岩釣兼生(いわつり かねお)」(だったらしい)。
1981年2月 極真元日本王者「東孝」が、格闘空手「大道塾」(現・空道)を創始。
1984年 佐山サトルが、「シューティング(後の修斗)」を創始。
1986年 ○前田日明(UWFレスリング) VS ×ドン・中矢・ニールセン(キック・ボクシング or
全米プロ空手)
この試合以後、前田日明が「新格闘王」と呼ばれることになります。
1987年 マイク・タイソンが、ボクシング世界ヘビー級チャンピオンWBC・WBA・IBFを統一。
1991年12月 高田伸彦(U系レスリング) VS トレバー・バービック(元WBCボクシングヘビー級チャンピオン)
1992年10月 ○高田伸彦(U系プロレス) VS ×北尾光司(元大相撲)
後に両者が、時間切れ引き分けのブック(結果の台本)があったと暴露。しかし、高田選手がそれを破棄。北尾選手をKOする。
1993年4月 第一回K-1グランプリが開催される。
決勝戦で、ブランコ・シカティックが、アーネスト・ホーストを破り優勝。
1993年9月 ○ウエイン(ケン)シャムロック VS 船木誠勝 (パンクラス旗揚げ戦)
さて、ここまで、「異種格闘技戦」と言えども、
「倒れた相手に馬乗りになって殴り続ける(バウンド=グラウンド・パンチ)という場面はありませんでした。(ブラジルのバリ・トゥードを除く)
各格闘競技では禁止されていましたし、異種格闘技戦でさえ、ルールで禁止されていた場合もあると思います。
例え、仮にもし、そのようなシーンになったとしても、「ダウン」となって、カウントが入り、
立ち上がるまで、攻防は一旦停止になります。
しかし、それ以前に、そんな子供の喧嘩のような素人っぽい攻撃は、
もしくは、組み伏せた相手を殴り続けるというような卑怯な行為は、
プロ格闘家にふさわしくない。と誰もが思っていたと思います。
そしていよいよ、格闘開化?の「なんでもあり(バーリ・トゥード)」や「ブラジリアン柔術」の登場です。
1993年11月 第一回UFC大会
ホイス・グレイシー(ブラジリアン柔術=グレイシー柔術)が優勝。
1994年 3月 第二回UFC大会で、ホイス・グレイシーが二連覇達成。 シャムロックは未出場。
○ホイス・グレイシー(ブラジリアン柔術) VS ×市原海樹(大道塾空手)UFC2 一回戦
1994年 9月 第三回UFC大会。 ホイス・グレイシーが敗れる。シャムロックは途中棄権。
1994年 12月 第四回UFC大会で、ホイス・グレイシー3度目の優勝。
1994年 ○ヤン・ロムルダー(キック・ボクシング) VS ×川口健二(シューティング=修斗)私の知ってる最も凄惨な試合のひとつ。
1995年 ダン・スバーン(レスリング)が、UFC5で優勝。
1995年 ▲ケン・シャムロック(レスリング、U系) VS ▲ホイス・グレイシー(ブラジリアン柔術) UFC5のワンマッチ
1995年7月 オレッグ・タクタロフ(サンボ)が、UFC6で優勝。
1995年9月 マルコ・ファス(総合格闘家【ルタ・リーブリ、ムエタイ、ボクシングetc】)がUFC7で優勝。
1995年12月 ○オレッグ・タクタロフ VS ×マルコ・ファス
これまで無敗だった「マルコ・ファス」が判定負け。
この辺で、「異種格闘技戦」であった「何でもあり」の戦いが、
総合格闘技と言うひとつの「格闘技種」と言ってもいい、勝つためのセオリーを持ったスタイルに変化し、完成しつつありました。
1996年 ドン・フライ(総合格闘技【レスリング、ボクシング】)がUFC8で優勝。
1996年 マーク・コールマン(レスリング)が、UFC10とUFC11で優勝。
1997年 ビクトー・ベィフォード(総合格闘技【ボクシング・ブラジリアン柔術】)が、UFC12で優勝。
1997年 ランディ・クートゥア(レスリング)が、UFC13で優勝。
1997年 マーク・ケアー(レスリング)が、UFC14、UFC15で優勝。
1997年10月 ○ヒクソン・グレイシー(ブラジリアン柔術) VS ×高田延彦(U系プロレス)
400戦無敗のヒクソンが、最強プロレスの高田と対決。
1998年3月 ○マーク・ケアー VS ×ブランコ・シカティック
K-1グランプリ初代チャンピオン「シカティック」が、UFC連続チャンピオンのケアーに敗れる。
(シカティックの反則負け)
1998年10月 ○ヒクソン・グレイシー(ブラジリアン柔術) VS ×高田延彦(U系プロレス)
1999年 ○アレキサンダー・カレリン(レスリング) VS ×前田日明(U系プロレス)
レスリング・グレコローマン130キロ級・世界選手権9連覇、オリンピック3連覇の「霊長類最強」カレリンが、リングスで前田日明と対戦。
2000年5月 ○藤田和之(レスリング) vs ×マーク・ケアー(レスリング) (プライド・グランプリ2000)
「霊長類ヒト科最強」のマーク・ケアーが敗れる。
2000年5月 ○桜庭和志 VS ×ホイス・グレイシー
UFC1,2連続優勝のホイスを桜庭が破る。
2000年5月 ○ヒクソン・グレイシー(ブラジリアン柔術) VS ×船木誠勝(U系プロレス)
高田延彦を破り未だ無敗のヒクソンとパンクラスの船木が対決。
2001年 ○ミルコ・クロコップ(キック・ボクシング) VS ×藤田和之(レスリング)
2001年 ○ミルコ・クロコップ(キック・ボクシング) VS ×永田裕志(プロレス)
2002年8月 ○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジリアン柔術) VS ×ボブ・サップ(超パワー)
2002年 10月、12月○ボブ・サップ(超パワー) VS ×アーネスト・ホースト(キック・ボクシング) サップはこの年、ホーストに二連勝。
2002年 12月 アーネスト・ホーストが、K-1グランプリ4度目の優勝。K-2大会を含めれば、6度の優勝。
2003年3月 ○ミルコ・クロコップ(キック・ボクシング) VS ×ボブ・サップ(超パワー)
2003年3月 エメリヤーエンコ・ヒョードル(総合格闘家【サンボ・柔道・U系プロレス】)VS ×アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジリアン柔術) プライド25
2003年11月 ○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジリアン柔術) VS ×ミルコ・クロコップ(キック・ボクシング)
2003年12月 ○ボブ・サップ(超パワー) VS ×曙(大相撲・元横綱) 「相撲VSキック・ボクシング」と言うより単に元横綱のキック・ボクシング)
2004年 8月 ○エメリヤーエンコ・ヒョードル(総合格闘家【サンボ・柔道・U系プロレス】) VS ×小川直也(柔道、プロレス)
「人類最強」「60億分の1」のヒョードルと、バルセロナ・オリンピック銀メダリスト「小川直也」が対戦。
2004年 ○エメリヤーエンコ・ヒョードル(柔道・サンボ) VS ×アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジリアン柔術)
2005年 ○エメリヤーエンコ・ヒョードル(総合格闘家【サンボ・柔道・U系プロレス】) VS ×ミルコ・クロコップ(キック・ボクシング)
2007年 日本の総合格闘技興行「プライド」が活動停止に入り、参加選手はアメリカのUFCなどに流れはじめる。
2007年4月 ガブリエル・ゴンザーガ(ブラジリアン柔術) VS ミルコ・クロコップ(キック・ボクシング) UFC70
プライド時代、ヒョードル、ノゲイラと並んで3強と呼ばれたミルコがUFC2戦目でまさかの敗北。しかもハイキックで失神ダウン。
2009年 ○ジュニオール・ドス・サントス(総合格闘家【ブラジリアン柔術、ボクシング】) VS ×ミルコ・クロコップ(キック・ボクシング) UFC103
2009年12月 セーム・シュルト(212センチ、136キロ)が、K-1グランプリ四度目の優勝。
2010年2月 ○ケイン・ヴェラスケス VS ×アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ UFC110
プライド時代3強と呼ばれたノゲイラが敗れる。
2010年6月 ○ファブリシオ・ヴェウドゥム VS ×エメリヤエンコ・ヒョードル(総合格闘家【サンボ・柔道・U系プロレス】) (Strikeforce)
ヒョードルがプライド時代からの連勝を止められる。
2010年10月 ○ケイン・ヴェラスケス(レスリング) VS ×ブロック・レスナー(レスリング、プロレス) UFC121 UFCヘビー級タイトルマッチ
2010年12月 K-1で、アリスター・オーフレイム(総合格闘家)が優勝
2011年2月 ○アントニオ・シルバ(総合格闘家【空手・ブラジリアン柔術】) VS ×エメリヤエンコ・ヒョードル(総合格闘家【サンボ・柔道・U系プロレス】) (Strikeforce)
2011年7月 クリチコ兄弟が、ボクシング世界主要4団体ヘビー級を独占する。
(兄:ビタリ・クリチコ、WBC。 弟:ウラジミール・クリチコ、WBA、WBO、IBF、IBO)
2011年8月 日本で「PROKARATEDO」が始まる。素手顔面攻撃、頭突き、肘攻撃ありの超過激なルール。
2011年12月 ○アリスター・オーフレイム(総合格闘家【キックボクシング】) VS ×ブロック・レスナー(レスリング、プロレス) UFC141
前年、K-1ヘビー級を制して、StrikeForceと合わせて二冠となったオーフレイムが、元UFCヘビー級王者レスナーと対戦。
2011年11月 ○ジュニオール・ドス・サントス(総合格闘家【ブラジリアン柔術、ボクシング】) VS ×ケイン・ヴェラスケス(レスリング)UFCヘビー級タイトルマッチ
2012年5月 ○ケイン・ヴェラスケス VS ×アントニオ・シルバ
ヒョードルを破ったシルバと、ノゲイラを破ったヴェラスケスが対決。
2012年12月 ○ケイン・ヴェラスケス(レスリング) VS ×ジュニオール・ドス・サントス(総合格闘家【ブラジリアン柔術、ボクシング】)UFCヘビー級タイトルマッチ
2013年2月 ○アントニオ・シルバ(総合格闘家【空手・ブラジリアン柔術】) VS ×アリスター・オーフレイム(総合格闘家【キック・ボクシング】) UFC156
2013年5月 ○ケイン・ヴェラスケス VS ×アントニオ・シルバ UFC160 UFCヘビー級タイトルマッチ
ヴェラスケスが王座を防衛。
2013年5月 ○ジュニオール・ドス・サントス VS ×マーク・ハント(元K−1王者) UFC160
2015年 2月 日本で独自のルールを採用した新しい総合格闘技イベント「巌流島」がスタートする。
2015年 6月 欠場していたUFCヘビー級チャンピオン「ケイン・ヴェラスケス」と、
暫定王者の「ファブリシオ・ヴェウドゥム」との王座統一戦が行われる。
「ファブリシオ・ヴェウドゥム」が勝利し、王座を統一。
2015年 11月 UFC女子バンタム級無敗の絶対王者「ロンダ・ラウジー(柔道・オリンピック銅メダリスト)」が、
元・ボクシング世界チャンピオン(三階級制覇)でキック・ボクシングの経験もあるホーリー・ホルム(総合格闘技無敗)と対戦。
ロンダが、ホルムのハイキックでKO負け。
ホルムは、ボクシング世界チャンピオンとUFCチャンピオンの両方を獲得した最初の人物となる。
ボクシング最強時代到来か!?
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